往復書簡 その1

こんにちは。森元です。

今日は、眩しいほどの良いお天気です。

中島さんの部屋にも明るい陽射しが差し込んでいるのではないでしょうか。


今回から、中島さんとのやりとりを「往復書簡」という形でブログにあげようと思います。

中島さん、ご協力をお願いいたします。


さて、私は作業療法士(OT)というリハビリの仕事をしています。

OTとして働き始めて30年になりますが、「本当に役に立っているのだろうか…」と

今でも思うことがあります。

対象者の方を理解するためには、ご本人から話を伺うのが一番なのですが、もう一つ、

「闘病記」を読むのも役に立ちます。

私が今でも読み返す闘病記の1冊に「地面の底がぬけたんです」(藤本とし著/思想の科学社刊/1974年)があります。印象的なタイトルでしょう?


藤本としさんは、ハンセン病の方です。ハンセン病は皮膚と抹消神経障害が生じるのですが、その経過で手足や顔が変形したり、目が閉じないことで失明したり…という後遺症が残ることがありました。外見に障害が分かることもあり、長く不当な隔離の対象となっていたとこはご存じだと思います。今はハンセン病は完治する病気ですが、藤本さんが罹患した当時(大正8年)は、不治の病でした。

この本のタイトル「地面の底が抜けたんです」は、藤本さんが、自分がハンセン病であることを知った時の気持ちです。

藤本さんは、18歳の時に発病され(丁度、縁談がととのった時だったそうです)、明確な診断名を知らされずにハンセン病の専門病院を紹介されるんですね。その病院に入った瞬間そこにいる患者さんを見て、「地面の底が抜けたんです」と。自分がハンセン病と解り、気を失って倒れたそうです。

この本の副題は「ある女性の知恵の73年史」とあり、この本には藤本さんの日常生活や工夫が、ユーモアを交えて描かれています。

例えば、藤本さんは、その後失明されるのですが「何とか本を読みたい」と(今ならオーディオブックがありますが、戦後間もない頃のことです)、点字の勉強を始めます。点字は、普通は指の腹で読んでいくのですが、その頃には藤本さんの指は両方とも全て無くなり、手のひらだけです。その手のひらの感覚も無くなっているので、感覚の残っている「舌先」で点字を読む勉強を始めるんですよ。頑張り過ぎて紙で舌先を切り、口が血だらけになった仲間の話も出てきます。

こう書くと可哀そうな話に思えるかも知れませんが、そうではなく、ユーモアがあり前向きで、私はこの本を読むたびに勇気づけられます。「頑張ろう」と思えるんですよね。

私は現在、子宮頸がん(ステージ3 卵巣・大動脈リンパ節に転移あり)の治療中ですが、診断を受けた時も、今も、あまりショックを受けていないのは、厳しい境遇の中でも前向きに生きている人がいる、ということが大きいかも知れません。


中島さんのおすすめの本がありましたら、ご紹介いただけると嬉しいです。 

今日は洗濯日和ですので、たまった洗濯物を片付けるといたします。   

 かしこ。

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