ー 面白い言葉の話 ー




秋も深まってきました。例年であればスポーツ・芸術の秋ですね・・・と言うところですが、今年はまだまだそこまで言えないことが悲しいです。今日は音楽のプロデュースで頑張っていた頃のことをフッと思い出したので、それを書かせていただきます。

私は翻訳・通訳とイベント企画の仕事をしていましたが、イベント企画の一環として宝塚OGやクラシック歌手など何人かのアーティストのプロデュースもしていました。その中の一人、東京藝大の留学生で声楽家の中国人を日本でメジャーデビューさせるということもしました。その彼女はテレサテンさんの親戚ということもあり、自分もクラシックの声楽家ではなく何でも歌える歌手として日本で活動することが希望でした。

2年程かかりましたが何とか大手レコード会社からメジャーデビューをさせることができ、NHKの歌謡コンサートなどにも何度か出演させてもらえたり全国各地でコンサートやディナーショーをさせてもらえるまでになることができました。そんな中国人の彼女と一緒に仕事をしているなかで彼女から聞いた様々な中国と日本の文化や慣習の違い、言葉の面白い違い、中国人から不思議に思う日本の事などがありましたので幾つか紹介させていただきます。第1回は言葉編です。

彼女が来日したばかりの頃、ある会場でテレサテンさんの「愛人」という曲を歌わされたことがあったそうです。歌い終わって何か話さなければと思った彼女は会場の皆さんに「今日ここにいる人で愛人と一緒の方はどのくらいいますか?」と聞いてしまったそうです!すると会場が急にざわざわして不思議だったのですが、あとできいて大変なことを言ってしまったと反省したそうです。中国では自分の奥様やご主人を他の人に紹介するときは、「私の愛人です!」と紹介するのが普通ですが、それを日本で使ったら大変なことになるとわかったそうです!

中国では他にも自分の奥様を紹介する言い方としては「老婆(らおぼ)」とか「太太(たいたい)」という言葉をよく使うようですが、聞いている分にはいいとしても漢字で書きますと奥様のご機嫌は絶対に悪くなるかもですね。

中国の人が来日して何となく不気味に思うのが温泉だそうです。温泉の入り口には必ず「男湯」「女湯」という文字が書いてありますが、中華料理のお店に行かれたらわかるようにこの「湯」と言う字は中国では「スープ」の意味です。ですから中国の人は最初は「湯」と書いてあるところに入って脱衣所で服を脱いで中に入ったら・・・スープのダシをとられるのだろうか・・・・・・、しかも「男性用スープ」と「女性用スープ」とは・・・・・・。

あと日本人がよく使う言葉に「手紙」がありますが、実は、中国で「手紙」は「トイレットペーパー」の意味なんです。ですから、中国に戻ったら「また手紙をくださいね。」はちょっとまずいかもです。本当の手紙は中国語では「信」と言います。

そして中国の人、中国の人だけでなく、これは来日する外国人いや日本人でも悩む言葉かもしれませんが、その言葉について少しお話します。

それは日本独特の丁寧語です。

彼女が言うには中国にも丁寧語はありますが、中国の丁寧語には一定の法則があり覚えるのにそんなに苦労はしないそうです。彼女が日本に来て最初に苦労したのは「お」を付ける言葉と付けない丁寧語の言葉だったそうです。

丁寧語(敬語)には「お」を付けなさいとまず教えられましたが「お二階へどうぞ」はいいのに「お三階へどうぞ」はいけない、と言われました。そこで「お」を付ける場合と付けない場合を教えて貰いました。「お野菜」「おねぎ」「おいも」「おなす」とは言いますが、「おほうれん草」「おかぼちゃ」「おもやし」とはいわない。これはきっと短い言葉に「お」を付け、長いものには付けないのかと思うと、必ずしもそうでなく、色々考えてみましたが、ますますわからなくなってしまったそうです。

同じように、調味料でも「お醤油」「お味噌」「お酢」「お塩」「お砂糖」とは言いますが「お胡椒」「お唐辛子」とは言わない。何故「おそば」と言うのに「おラーメン」はいけないのだろうか?と・・・。結局は丸暗記で一つ一つ記憶するしかないと思ったそうです。

また「結構です」と言う言葉は「サンキュー」なのか「ノーサンキュー」なのかも非常にわかりにくく、最初「結構です」は「ノーサンキュウ」の意味で教えてもらったそうです。それがある時、お世話になった方にお礼のお土産を持って行くと「結構なものを有難うございました!」と言われてしまい、いくらなんでも「いらないものをありがとう!」と言うだろうかと、ますます日本語が分からなくなってしまったようです。

日本人でもよく分からない日本語を上手に使っている外国人は、本当にすごいと尊敬します。

では次回は日本と中国の文化・習慣の違いのお話をさせて頂きます。

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 特定非営利活動法人 TUMUG

  設立年月日 2019年12月23日

  理事長   中島 清雄

​         法人所在地 神奈川県川崎市麻生区白鳥4丁目

  事業内容  福祉機器開発支援事業

        福祉機器開発普及啓発事業

        介護事業者等研修事業

​​        障害者活動支援事業(定款変更申請中)

  メンバー数 13名(2020年1月現在)

   <内訳>

    当事者:4名  

    家族 :4名

    支援職:5名(社会福祉士、作業療法士、介護支援専門員等)